先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
先生は本を戻すと、自分の席に座った。
「うん、どうよ、ユリは。」
初めから、先生はユリの事で
話があるのだと、思っていたようだ。
・・・当たり前だけど。
「頑張ってるよ。
めげずにちゃんと、話しかけてる。」
満足そうに、先生の口元が緩む。
「ガッコウにくる時は?
変わったことなかったか?」
「・・・ないよ。
あー、なんか、ずっとぶつぶつ
クラス全員の名前、唱えてたけど。」
それを聞いて、先生は
ちょっと大げさに目を見開いた後、
へぇ~と、そっぽを向いて笑って、
組んだ脚に、頬杖をついた。
「・・・なに、その反応。」
「んや、別に。」
そのくせ、こらえきれないように
白い歯を見せて、笑っている。
急速に、気持ちが冷え込んでいくのを、
止めることができなかった。