先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
足元から、寒々しい空気が上ってくる。
そろそろ昼食を終える頃なのだろう、
廊下を行き来する人の気配が、多くなる。
バタバタとした風が、
流れ込んでくるのが嫌で
開けっ放しだったドアを、閉めた。
その動きに、先生が目をとめる。
「あー、それ、開けといていいぞ。」
だけど私は、聞こえないフリをした。
「先生、ユリの事どう思ってんの?」
細く、尖った声が、でた。
先生は平然とした顔で座ったまま、
ただ私を見上げる。
「あんな噂たてられて、正直、
メンドクサイって思ってんじゃないの?
それとも、・・・噂通り、好きなの?」
ピリピリと、緊張が空気を震わせる。
だけど先生は、全く頓着せず、
「いーから、そこ、開けとけって。」
と繰り返す。
自分ひとりが自制心を失ってる事に、
あおられて私は、
つい、叫んだ。