先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
バタンッと、
勢いよく屋上のドアをあけると、
雨は止んで、晴れ間がのぞいていた。
手すりの方まで、まっすぐに走る。
だけどここにも、誰かがいる気配はない。
少し風が、強い。
気味の悪い色をした雲が、すごい速さで流されていく。
「・・・まだ見てないって、
ずっとユリを探してたんだよな。」
ドアの所に立つ先生を振り返ると、
先生は、手に持った携帯電話を見せ、
どこかにかけ始めた。
「校内は携帯禁止でしょ。」
「校則は生徒の為にある。」
非常事態だからよ、と言って、
先生は、私にケータイを手渡した。
『・・・タカオちゃん?』
ささやくような小さな声に、
思わずケータイを持ち直す。
「ユリ!?あんた、今どこにいるの!?」
『・・・ごめんね、帰ってきちゃった。』
「上履きのまんま!?」
うん、という返事を聞いて、
へなへなとへたりこんだ。
一気に力が抜ける。
「あんたね~・・・。」