先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
「・・・さっきは、脅して悪かったけど。
でも、思っただろ?
うわ、やっべー!!
どうなっちゃうの、この先!?
って。
多分、初めて、思っただろ?
『生徒』はそれで、いいんだけどさ。
そうやってやみくもに走ってくるのを、
迷い子にならないよう誘導すんのが、俺の仕事ですから。」
またそうやって大人ぶって、
先生が笑う。
・・・そんなの知らない。
そんなこと、思ってない。
先のことがどうだとか、
仕事だとか役目だとか、
私の知った事じゃない。
「だから子供なんだ」って
いわれようとも、
私は先生の気持ちが知りたいんだ。
ほとんど耳をふさぐような気持ちで、
黙ってじっとコンクリートをにらんだ。
何を言われようとも、
答えてくれるまで
動かないつもり、だった。
「それでもってですね、
俺はあいにく、
わが身が一番可愛いので、
そんなリスクの
大きいハナシに乗る気は
サラサラございません。」
あの時と同じ声に、ギクッとする。
「ていうか、
そこまでしてもいいっていう
魅力を感じないけどね、
そのハナシ。」
「そんな・・・!」
ひどい、と思った。
思ったけど、何も言い返せない。
私が「どうでもいい」と
思った物の方が
大事だというのなら、
私には、
それを守ってあげることは
できない。
先生から、奪うことしか、できない。