先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】

「あーもう、これ、オフレコな。

『先生』としてじゃなくて、本音。

ユリにも、
『生徒としてじゃなくて見てくれ』とかなんとか、言われたんだけどさ。

無理だろ。


だってまず、お前らが俺を、

『先生』としか、見てねえもん。」



初めて、先生に「お前」と言われた。


それから、ユリの告白をこんな風に軽く口にする事にも、絶句した。


目の前にいる私に、断りもせず、

タバコをくわえて火をつける。

絶対に、生徒がそばにいる時は
吸わなかったのに。



先生が、軽薄そうに髪をかきあげた。


そこには、別人のような、顔があった。



目の前にいるこのひとは、
「先生」じゃ、ない。



これが、リョースケ。







< 64 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop