先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
【=学校】
「やーっぱ、タカオちゃんでも、
だめなのかあ・・・。」
窓辺で頬杖をついて、ユリが
残念そうにつぶやく。
「・・・フラれるとわかってて、
けしかけたのか。」
じとっとにらむと、
ユリが慌てて手を振って否定する。
「ちがうよ、タカオちゃんなら
もしかしてって思ったんだって。」
「・・・なんで。」
ユリは「ひみつ~♪」と、笑った。
「なんだよそれは~!」
ほっぺたを引っぱって
問いつめようと思ったのに、
ユリは呼ばれて、教室の方を振り返る。
行き場をなくした手で
私も窓辺に頬杖をついて、
ユリの横顔を笑ってながめた。
「まあいいけどね。もう。」
ため息をついて、窓の外に目をやる。
あそこまでお願いされちゃあ、
しょうがない。
頑張って、先生をまっとうして
もらおうじゃないか。
校庭で、先生がこちらに気づいて
手を振るのが見えた。
私達は並んで、
だいすきなリョースケ先生に
手をふり返した。
完