先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
たかだか数秒の事なのに、
永遠のように地獄に落ちた気分を味わう。

できることなら、この場から
逃げ出してしまいたかった。



突然ふっと、



力を抜くように

先生が苦笑した。


「タカオちゃんねー、

そういう時は、謝ればいーの。

ごめんなさいって一言で、

俺はよしよしって、
ほめてやるのになあ。」


それでも固まって動けないでいると、


ん?と、うながすように、

顔をのぞきこまれる。


睫毛の一本一本まで
数えられそうな目の前に、


ど迫力の綺麗な顔が、


待っている。



ますます下を向くしかなくて、


小さな声で「ごめんなさい」と
口にした。



「よーし!」



先生は、


さっきとはまるで別人のような

兄貴ぶった笑顔で、



ほんとに「よしよし」と。



頭をなでてくれた。





情けないことにそれだけで、

泣きそうなくらい、

こころの底から ほっとした。




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