先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
「やあだ、先生ぇ~。
さっきから呼んでるのは、ボクの事?
それともア・タ・シ?」
みごとなシナをつくりながら
立ち上がったのは、サトウ君だった。
サトウ君は、ご丁寧に
「ア・タ・シ」の所で
ちょんちょんちょん、と
指先で空気をつついて見せた。
ハルキ先生が、
ぽかんとして立ち尽くす。
教室内に、
かすかなざわめきが起こる。
だけどそれもやっぱり、
必死に爆笑をこらえるような
おかしなしのび笑いだった。