先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
これが他の生徒だったら、まだよかった。
みんな遠慮なく笑い転げたし、
それでその場は丸く収まるはずだった。
だけど彼は、ちょっと立場が微妙なのだ。
クラス全員が、
口には出さないけど
「サトウ君て女っぽい」と普段から思ってたし、
サトウ君も
それをうすうす感じながら、
いつも必死に否定していた。
だからそんな、
捨て身の行動を取ったサトウ君に
みんなどう反応していいのか
わからなかったし、
先生がどう反応するのかも、
興味があった。
クラス中が固唾を呑んで、
先生のリアクションに注目する。
教室内には、
またまた奇妙な緊張が走った。