先生+生徒-学校【67頁】+【160頁】
「ねえ先生、タカオちゃんのこと好き?」
「生徒としてはね。」
急にとばした質問にも、
先生は顔色ひとつ変えずに即答する。
「じゃあ私のことは好き?」
「タカオと同じくらいにね。」
「うそ~~~!!
じゃあ~、他の子全員と、
私たちならどっち好き?」
それを聞いて、
先生は呆れたようにそっくり返って
ちょっとあごを突き出した。
「あのなーー。俺はとっても平等に、
生徒全員と接してるつもりだけど?」
まあ、「つもり」でしかないのは
認めるけどさ。
先生は小さくそう言ったけど、
わかってるよ、
リョースケ先生はよくやってる。
だって平等に・
他の子と同じだけ私にも時間を作って、
平等だから・
この部屋に私と一緒にいる時の
タカオちゃんのことは、無視をする。
先生の徹底ぶりは、
ちょっと目をみはるものがある。
「ユリがタカオしか見てないから、
タカオか他全員、なんて
出てくるんだろうけどさ。
俺はユリと同じだけ、
タカオも含めたひとりひとりを
大事にしてるつもりだけど?
確かめてみろよ、自分の目で。」