魔法日記




それは、竜だった。


水のウロコが太陽の光にきらきらと反射して、時折七色に光る。



竜は何かを探すようにきょろきょろと辺りを見回して、


<わたくしを呼んだのはどなたですの?>


と言った。


どうやら本当に成功したみたい。


目に前の神秘的な竜に足がすくんでしまいそうだったけど、おずおずと竜の前に進みでる。


『私、です』



<あら、まさかこんなに小さい子に呼ばれるなんて思っていませんでしたわ。まあでも、このわたくしを召還することが出来たのですから、強い力をお持ちで?>


『え?えっと、あの・・・魔法は全然上手くないです』


<まぁ・・・。ではこれからなるのですか。ふふ、これは楽しみですわ。期待しておきます>


『えぇ!?やめておいた方がいいですよ!私の魔法、ダメダメですからっ』


<期待くらいさせてもらってるかまいませんわよね?>


『かまいます!』


私なんかに期待する要素はないと思うけど、この竜は一体何に期待するのだろうか。


まったくもって訳が分からない。


私はむすっとしたまま、目を細めて笑う竜を見上げた。


絶対に、からかわれてる・・・。





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