魔法日記
出発
まだ誰も起きていないくらい早い早朝。
私は、あらかじめ書いて置いた置き手紙を部屋の机に残し、まだ霧がかかっている外に出た。
昨日の雨のせいで空気が湿っている。
朝日もまだ顔を出していないため、薄暗く、寒い。
はー、と手に息を吹きかけたり、腕をさすって身体を温まらせる。
なんだか景色が寂しい。
植物は花を閉じ、つぼみに戻ってしまっている。
小鳥の歌声も聞こえない。
一人泉の道のりを歩く。
葉についた水滴が1つの大きな水滴になってぴちょんと頭に落ちた。
冷たい・・・。
家の冷蔵庫から取ってきた朝食代わりのアップルパイを食べながら、寂しさを紛らわすように唄を歌った。