魔法日記
ゴーン、ゴーン
授業の始まりを知らせる鐘の音が鳴り響く。
その音とともに教室のドアが開いて女の教師が入ってきた。
赤縁眼鏡で、緑のマントを着ている、すらりとしたスタイルのメルローズ先生。
「皆さんおはようございます。まず、宿題をみますので、こちらから準備をしてくださいね」
先生は廊下側の列を指して言った。
順番だから、私は最後ということになる。
嬉しいような、そうじゃないような。
段々と順番がまわってくる。
Cクラスでも良くできる人はいて、ここまで失敗した人は少なかった。
前の席の子が終わって、席に着いた。
次は私だ。
「Msユイ、あなたが最後です。どうぞ」
『は、はい・・・』
ーー炎よ燃えろ、全てを燃やせ!
ぱちんっ
きちんと呪文を唱えたが、炎の魔法はただの大きめの火花に終わった。
「はぁ、Msユイはもう少し練習をした方がいいようですね。Mrアルフレッドの方がよっぽどよく出来ています。いいですね?明日までに炎の魔法を使えるようにしてきてください。」
『・・・はい、先生。』
それだけ言って先生は教壇に行ってしまった。
『・・・』