魔法日記


アンリに残ったクッキーを渡して今日はさよならをした。


スキップでもするような気分で家に帰る。


『ただいま〜!』


元気よくドアを開けて大きな声で言う。


「おかえりなさい」


魔法を使いながらキッチンで夕飯の用意をしていたお母さんは、私を見ずにそっけなく言った。


『・・・』


いつものことだから気にしないけど、ちょっと悲しい。


さっきまでの元気は消えて、俯きながら自分の部屋に続く階段を上る。


その途中でお母さんが「宿題ちゃんとしなさいよ」と言う声が聞こえた。









バタンッ


部屋に戻って乱暴にドアを閉めた。


ベッドにぽふっと仰向けに寝転がって何の飾りもない天井を見上げる。



『・・・お母さん』


こっちを見れば怪我をしているの気づいたかもしれないのに。


心配してくれるかなって、ちょっとだけ、期待してたのに。





お母さんは、私のことが嫌いなんだ。


なんでだか解らなかったけど、生暖かい涙がつうと頬を伝った。



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