ラブ☆ロマンス
「あ、え、と……」
『放して』と、私が言葉にしようと彼の腕を掴んだ瞬間。
「……何してるんですか?」
お約束――――っ!?
……なんて、心で叫んだ私。
だって本当、お約束じゃない?こんな場面に遭遇しちゃうなんて!
低い声の主に気付き、慌てて吉田くんの腕から手を離して離れようともがくけど。
「何してるって……見てわかんない?」
――なんて。
離してくれるどころか、彼はあろう事か挑発的な言葉を仰った。
真っ青になりながらゆっくりと蒼くんが居るであろう場所を見ると。
彼は入り口に制服姿で腕組みして寄りかかりながら、私達を見ていた。
その表情は、真顔。
「ふーん……
葵さんは、その答えでいいの?」
「ちっ違う!違いますっ
ちょっと!吉田くん!離してっ」
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