ラブ☆ロマンス



「ええぇー」
「ええじゃない!
 早くっ」



 私の言葉に、吉田くんがゆっくりと私の背中に回していた手を離してくれた。


 私はそのまま蒼くんの元へダッシュ。

 その勢いのまま、抱き付いた。



「――ハァ…
 本当、目を離すとすぐこれだ」


 蒼くんの呆れた声が耳元で聞こえて、私は涙が溢れる。


「ご、めんなさい…」

「気をつけてね。
 男はみんな狼なんだから」


 そう言いながら、私の頭をポンと叩く。
 私が彼の首もとから顔を上げると、


「葵さんを困らせていいのは俺だけなんですけど?先輩」



 私と同じ高さの目は、私の後ろに注がれてる。

 ……とても、鋭く。睨みつけるように。




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