ラブ☆ロマンス
* 泣きたいキモチ *
「葵!」
広い大学校内で一際おっきな声で呼ぶ彼。
「……佐伯くん」
私の恥ずかしさなど微塵も気づかない彼は、いつもの笑顔で駆け寄ってきた。
「次同じ講義だろ?
一緒に行こう」
……痛い。
女子の皆さんの視線が痛いっ!
「ん?」
ジトーと見るも、彼は相変わらず気づかない。
「……なんでもない」
痛い視線にダメージ受けながら、そのまま教室まで向かった。
蒼くんに黙って帰ったあの日から、すでに二週間。
何度か電話とメールがあったけど怖くて出なかった。
……今はもう、連絡がない。
呆れられたかもしれない。……本気で。
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