ラブ☆ロマンス
「男のヤキモチはどうかと思うけど。
好きな女からのヤキモチなんて、男からしたら嬉しいもんだよ。
『ああ、誰にも渡したくないほど好きでいてくれてるんだ』ってさ。
……葵も変な意地張ってないで素直に伝えてみたら?」
最後に私の頭をポンと撫でた後、次も授業があるからと席を立った佐伯くん。
私は頭の中で、いま言われたことをもう一度思い返した。
私のヤキモチは醜くないのかな?
素直に伝えたら、いつものように『バカですね、葵さんは』って、笑ってくれるかな?
……私をまだ好きでいてくれるかな。
涙が溢れて一粒こぼれると同時に、早紀ちゃんが向かいの席に来た。
アイスコーヒーとアイスティーを持って。
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