ラブ☆ロマンス




「……こんな所で泣いてても始まらないし、頭で考えたって所詮は頭の中の出来事よ。

 何のためにその口はついてるのよ」


 呆れた声に、顔を上げられない。

 そんな私に彼女は、


「……今日の講義は無くなったわ。教授不在でね。

 ――さぁ、どうする?」


 ニヤリ笑った早紀ちゃんには、私の答えなんてお見通しで。

 私は残りのカップを空にすると、慌ててテーブルを片付けた。




「早紀ちゃん!私、伝えてくる!
 蒼くんにちゃんと思ったこと、全部っ」



 言って走り出した私に後ろから、「頑張れ」って言ってくれた。



 振り返らない。


 立ち止まったりしない。


 だって、散々立ち止まったし。

 遠回りしたし。




 これ以上、時間はかけられない!






 走って、走って。



 そうしてたどり着いたのは、宮代中学校。




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