ラブ☆ロマンス
* 彼は男の子 *
「いっいや!
ちょ、ちょっと待って!」
「―――待ちません」
「は、話そう! 話せば分かるから」
「話しません」
「いや、話したいのは私で君じゃない…っ」
手首掴まれたまま引きずられる私を周りの生徒たちが見ている。
恥ずかしくて私は顔を暴れる。……が、段々彼がどこへ向かっているのか分かってきた。
―――この道は…っ
「やっ きょ、今日は帰るから…っ
お願いだから放して!」
見慣れた廊下に、今度は血の気が引いていく。
「ダメです。絶対に逃がしませんから」
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