ラブ☆ロマンス
* 君が好き *
―――タンッ…
……ギギ……―――スタンッ…
艶やかな黒髪に切れ長の瞳の綺麗な男の子。
そんな彼の、真っ白な袴姿で弓を引いてる姿に、言葉が出なくて。
ただ静かに見つめてた。
「退屈じゃないですか?」
彼を見つめてる私に声をかけたのは、弓道部の部長。
「全然!」
私がニッコリ笑って答えると、部長も同じように笑った。
「正座、崩しても大丈夫ですよ?
今日はデートの邪魔をしてすみません。
本当は明日でも良かったんですけど……」
そう言って、チラッと蒼くんを見た部長。
蒼くんは気付きもせず、どんどん弓を撃っていく。
「ううん。大丈夫!
私、袴姿の蒼くん大好きだから♪」
私の言葉に、部長はホッとした表情で
「本当にすみません」
と、もう一度謝ってから蒼くんのもとに向かった。
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