私立凰華学園

ある程度入学式が終わって再びピーンポーンパーンポーンと校内放送が入った。

「えー、たった今校舎入り口にHRのクラスを貼りました。ちなみにHRのクラスはコース、クラス関係無しにランダムに組んであるのでしっかり自分の教室を確認してから向かってください。暫くすると担当の教師が見えると思うのでその後は教師に従って行動を取ってください。繰り返します……」

この学園のHRクラスは今から2ヶ月程した6月にある修学旅行のグループにも関係してくる重要なクラスなのです。

「あたしとあんた、同じクラスだといいね」

「うん!」

とりあえず私とメグちゃんは体育館を後にして校舎入り口に向かうことにしました。

既に校舎入り口には沢山の人だかりが出来ている。

その波に呑まれつつも私とメグちゃんは自分達のクラスを探す。するとメグちゃんが1年D組の欄に二人の名前が載ってるのを見つける。

「あっ、ほら!あんたとあたしの名前載ってるよ!一緒のクラスじゃん!」

「ほ、本当です!嬉しい!メグちゃんと一緒なんですね!」

「そうよ!1年間よろしく!」

二人は握手を交わす。そして他のクラスメイトの確認をしていく。

すると、二人の視線は一人の男子の名前を目にして止まってしまった。

“皆川杏太”

そう、このクラス決めこそこれからの私達の様々な行く末を決めているようなものだった。

まだ二人はそれに気づくはずもない。
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