《夕日塔番外編》 想いの裏側
パニックのあまり頭を抱える私を、宮迫は何も読み取れない目でジッと見つめる。


その視線のせいで、更に冷や汗がダバダバ流れ落ちて来た。


「イヤ、ごめん!今のウソッ!!ん?ウソってなんだ?とりあえずまぁ、忘れて下さい!!」


慌てて今の質問を無しにしようと、弁解しまくる私。


一言も返さない宮迫に、“何とか誤魔化せた……!!”と、安心した時だった。


「――――いるよ」


囁く様な小さな声が………私の耳に届いたんだ。


「えっ………?」


「いるよオレ……好きな女」


フイッと私から目を逸らした宮迫。
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