《夕日塔番外編》 想いの裏側

-直次Side-

“渡したかった人に、好きな人がいたから”


間違いない。


間違いなく遠藤は、そう言った。


「み、宮迫!?なんで!?なんでアンタここにいるの!?ってか離して!!//////」


オレに抱きしめられてる事がよっぽど恥ずかしいのか、大慌てで体を捩る遠藤。


オレはそれ以上動けない様に、更に腕の力を強めた。


「なぁ遠藤………」


名前を呼ぶと、遠藤の動きが止まる。


遠藤の方からカップケーキの甘いニオイがした。


「お前って………オレの事好きなのか?」


さっき遠藤が走り去った時は、マジで超ビビった。
< 111 / 123 >

この作品をシェア

pagetop