《夕日塔番外編》 想いの裏側
一度足を止めて、夕穂が追いつくまで待った。


「ハァハァ……稚鶴、あんなに突っかからないで、もうちょっと宮迫君と仲良くしようとは思わないの?」


「思わない。全く」


夕穂の意見をバッサリ切り捨て、また玄関まで歩く。


イライラしていた為、歩調がいつもより速めになってるのに気づかなかった。


「稚、稚鶴!足……コホッ」


ハッ………


夕穂の苦しそうな状態に、私はようやく冷静さを取り戻したんだ。


「ごめん、夕穂………」


「ううん、いいよ。それより稚鶴今日塾無いよね?うち来てお菓子食べようよ!!」
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