《夕日塔番外編》 想いの裏側
そうしてやって来たのは、夕穂の家・野々谷家。


おばさんにちゃんと挨拶をして、夕穂の部屋に入った。


「ハイ、ジュース。オレンジジュースでいいよね?」


「うん………」


2人でジュースで喉を潤し、クッキーを頬張る。


夕穂が元気無さ気の私の顔を、横から覗き込んで来た。


「元気無いね稚鶴?宮迫君の事?」


コクリと首を1回だけ、縦に振った。


「なんで宮迫って、私にだけあんなにキツイんだろ………3年前の跳び蹴りが原因なのかな?」


「ハハ……まさか」


半分マジメに言うと、夕穂が苦笑いで否定した。
< 25 / 123 >

この作品をシェア

pagetop