《夕日塔番外編》 想いの裏側
なのにオレは事情もよく知ろうとしないで、色々とヒドイ事したり、言ったりして来たのかも……しれない。


「悪かったな遠藤………」


謝罪の言葉を呟くと、遠藤が“ワケが分からない”って反応をとる。


「な、なんでいきなり謝ってくんのよ………?」


「別に……熱…どうだ?」


遠藤のオデコに乗っけてたタオルを取って、代わりに自分の掌を乗せる。


38度だったから、やっぱりまだ高い。


「どうしよっかなぁ………」


氷マクラでも作ろうか?と、イスから立ち上がったオレ。


しかし弱々しい力で、制服の裾をハシッと握られた。
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