《夕日塔番外編》 想いの裏側
「行かないで…………」


振り向くと、熱で涙目になっている遠藤と目が合う。


「傍に……いてぇ……」


真っ赤になった顔に涙目、甘える様な仕草と声。


ドキンと心臓が暴れて、自分の顔も赤くなるのが分かった。


“カワイイ……”


コイツって案外メチャクチャカワイイなって……本当に思ったんだ。


「ん……お望み通り、いてやるよ」


小さく笑みを溢し、イスに再び腰を下ろす。


すると遠藤は、嬉しそうにフワッと微笑んだのだった。


幼稚園の時のお遊戯会、小学校の時の入学式よりも、鼓動がバクバクと速くなる。
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