《夕日塔番外編》 想いの裏側
デコピンを喰らわされ、“ホニャッ!?”と変な声が出てしまった。


「全く………ガリ勉も程々にしろよ。そんなんじゃいつかブッ倒れるぞ」


私の頭を撫でながら、心配そうな声で言う宮迫のせいで、涙が出そうになった。


あっ……「せい」じゃない…「お陰」だ。


最初は宮迫への対抗意識で始めた勉強………努力は実を結び、優等生になれた。


だけどこの頃、“頭いいから”、“しっかりしてるから”言われる度に負担がかかってたんだ。


“私は優等生で当たり前”


いつしか自分自身でさえそう思い込み、誰も何も言ってくれなくなっていた。
< 69 / 123 >

この作品をシェア

pagetop