《夕日塔番外編》 想いの裏側
幾ら遠藤が邪険に扱っても、所構わずアタックして全くあきらめない。


朝の“おはよう”から始まり、昼休みは毎日“弁当一緒に食べよう”と誘い、下校時も遠藤のクラスまで迎えに行く始末。


オレは張戸と同じクラスだったので、張戸が教室から出て行く度にムカムカが心を取り巻いていた。


「稚鶴ちゃん!あのさ――――……」


「来るな、寄るな、近づくなぁぁあぁあ!!」


遠藤本人は張戸に興味等微塵も無く、毎回逃げるか蹴散らすか相手にしないかのどれか。


落ち込む張戸を見てると、不謹慎かもしれないが………ホッとしてるオレがいた。
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