《夕日塔番外編》 想いの裏側
「でも稚鶴ちゃんの頭なら受験勉強しなくても志望校受かりそうなのに、なんで勉強するの?」


バキィッ!!


オレと遠藤、2人同時にシャーペンの芯を折る。


遠藤は物凄い殺気を漂わせながら、張戸を睨みつけた。


「頭良かろうが悪かろうが、勉強するのはいい事でしょうが!志望校落ちたら嫌だから勉強してんの!文句あるの!?」


「落ちたらって………そもそも稚鶴ちゃん、志望校どこなの?」


張戸の質問に、オレの耳がピクリと反応した。


実はオレも遠藤の志望校はどこなのか気になっていたけど、ずっと聞けずじまいだったから。
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