花蓮【完結】
「…麻美ちゃんを守れて俺、嬉しかったんだけど」


「は…?ば、ばかじゃないの…?」


「ううん、大真面目」


「…病院行こう」


「やだ」


「行かないならもう、金輪際会わない」


「う。それはやだ」


「わかったなら行こう」


「…はーい」


「運転しなくていい。
あたしのバイクに乗って」


「…麻美ちゃんの?もしかして男俺初めて?」


「あー初めてですが!何か!」


「……いひひ」


「気持ち悪い」


ぴしゃりと言うあたしにもニヤニヤとするだけで、哲は終始笑顔だった。

手の平に巻いた布はもう真っ赤になっている。

あたしはカバンからハンカチを取り出して巻いてあげた。



それに哲は相当吃驚したようで。
暴走族がハンカチ持ってるなんて…って失礼極まりない発言をするからキックをかましてあげた。
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