花蓮【完結】
ぼーっとしてると、看護婦が中に入ってきた。





「あら?井上さん、起きたのね!
医師に云わないと。
どこか痛いとこある?」


「……頭が、ちょっと」


「ああ、倒れた時石があって少し打ったみたいだしね。
他は大丈夫?」


「…あたし、どーしたの?」


「え?覚えてないの?
貴方、倒れたのよ。
何であんな時間一人で海にいたの!
ちょうど、ジョギングに出てる人がいたからよかったものの、あのままじゃ死んでたわよ!」


「…あたし、倒れたの?」


「もう、そうよ。
こんななるまでほっといて…検査結果聞いてないんでしょ?」



…は?何の話?




「検査結果?」


「え?」


「検査って、何」


「あ、医師来たから話は医師に聞いてね」



ガララと音を立てて入って来たのは、見覚えのある医師だった。
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