花蓮【完結】
「俺、まじになったの…麻美だけなんだって。
だから、失いたくねーんだよ」







……………





じゃあ。






「なおさらだ。
あたしとあんたはもう、会わない」


「麻美!!!!」


叫ぶ哲を無視してあたしは朱美に話しかける。



「朱美、後ろ乗っけて」


「…え、あ、うん。いいけど…いいの?」


「……いいんだよ」




朱美は納得してない顔だったけど、素直に後ろに乗せてくれた。
佐緒里とことも黙ったままだ。



頑なに哲を拒否するあたしに何かを感じ取ったのかもしれない。






でも。
ごめん。

これだけは。





誰にも言えないんだ。





きっと、皆は恨むだろうけど…。
あたしは言うことなんて出来ないよ。
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