花蓮【完結】
開いた口が塞がらないとはまさにこれのこと。
佐緒里の言葉が図星過ぎて。


佐緒里をぽかんとして見てしまう。



そんなあたしの顔を見て佐緒里がゲラゲラ笑いだした。




「何だよ、その狐につままれたような顔!
まじうけるんですけどー!」



顔をばっと手で覆って、あたしは俯いた。
そして気付く。




「…まさか、ことも」



あたしがそう言うと、佐緒里は笑いすぎて涙を流した目をこすりながら。




「うん!」




そう、元気よく答えた。





なんだよ、知ってたのかよ…。
バレバレだったのか。




なんだか、隠してた自分が恥ずかしくなって頭をぼりぼりと掻いてると、佐緒里が優しく諭すように言った。
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