花蓮【完結】
廊下を歩いてると、佐緒里が溜め息をつきながら口を尖らせた。



「麻美、やっぱりモテるねえ」


「いや、モテてんの?あれ」


「はあ、無自覚まじうざい」


「はあ?」



呆れながら言う佐緒里を睨むと、今度は後輩があたしに声をかけてきた。



「井上先輩!」


「あ!え?」



どきっとしながらあたしが振り向くと、また可愛い女の子達。



「…ああー、写真かなんか?」


手に持っていたカメラを見て、先にあたしが言うと

「はい!!お願い、出来ますか!!」


そう、興奮しながら後輩達は言っていた。



「どーせなら佐緒里も」


「きゃああ、いいんですか!」


「え、私いいんだけど。
信司来たし」


「はあ?
じゃあ信司も撮ったらいいじゃん」



信司と総神のツレ数名がこっちに近付いてくる。
それを見て、後輩達が更に黄色い声を上げた。



何、信司ってやっぱり有名なの。
さすが、総神の総長だな。
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