花蓮【完結】
最初で。
最後の告白。





……だからね。







「…麻美、ちゃん」




震えながら今度は哲が、あたしの手を両手で包み込む。





「…云うのが遅くなってごめん」





哲は大袈裟に首を振ると、顔をくしゃくしゃにして。

俯いて肩を震わせていた。





これ、どっちが男だかわからないよ。


だけど。



こんな二人もいいのかもね。





「もっ、はな、さ、ない」




涙を流しながらきつくあたしを抱き締めて哲が言った。





ああ。
あったかいな。






あたしは。

哲の温もりをこんなに求めてたのに。





声を押し殺して泣いている哲の髪の毛を。

今度はあたしが愛しそうにそこに指を差し込む。

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