花蓮【完結】
「俺、夢見てるみたい」


「あんなにアタックしといて何言ってんだよ」


「だって、だって。
俺、麻美ちゃんをどれだけ、どれだけ」


「あああ、もう、泣かないっつーの。
うざいうざい!」


「……ひでえ…。
でも、俺幸せだああ」






そうやってまた泣く哲があたしは愛しくて。












ねえ。
ちょっと、まだ生きたいって思っちゃったよ。








本当に未練たらしくて、女々しいね。
だけど。
あたし、まだ死にたくないよ。






やっと。


哲と一つになれると思ったのに。






「…哲、今日引退パレードあるから…」


「うん」


「それ出てあたしは花蓮引退するから」


「うん」


「したらさ、一緒にどっかで暮らそうよ」


「え?」


「ここじゃないどっかでさ」


「……うん」


「はは、本当に?」


「うん、…うん」




また大粒の涙を流す哲。


…その涙は。






嬉しさではないでしょう…?
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