花蓮【完結】
大好きな哲。
貴方をここまで苦しめるあたしを。
どうか、許して。



最後の最期で一緒に暮らそうと嘘をつくあたしを。


いなくなってもなお、縛り付けるあたしを。






許して。







ねえ、どうか許して。







あたしは涙を流さないから。
哲が代わりに泣いてくれてるから。



だから、あたしは泣かないから。






いつでも逝ける覚悟をして。
それで告白を決心して。
後悔しないようにって。






やっと哲と結ばれたのに。





そうなってから。




逝くのが惜しいなんて。









………皮肉だよね。







「哲、笑って」






あたしの声にぎこちなくも、笑う哲の顔。




……この顔を焼き付けるんだ。
あたしの心の奥に。







ふは。
あたしの心の中で既に哲、笑ってやがる。







…………


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