花蓮【完結】
引退までのカウントダウン
佐緒里と合流して、夜になるまであたしと佐緒里は朱美の部屋にいた。
特攻服に身を包んで。






「…卒業したんだねえ」


「なんか、実感ねえな」


「ねー。もっと色々あるかと思ったけど」


「本当に」


「いや、麻美は“色々”あったろ」


「は?」




ニヤニヤしてあたしを見る佐緒里。
…まさか。








「あんなにファンの子に写真撮られてて。
ちょー笑えたんだけど!」


「あー、はは」



そっちね。
哲のこと見られて…


「哲さんともうまくいったみたいだし」


………見られてたのね。
まあ、そうだよな。




「………」


「うわ!麻美、顔真っ赤!」


「う、うっせー!」


「やっばーい!ちょー乙女ー!」


「ああああ!まじうぜーーー」




なおもぎゃいぎゃい言う佐緒里の後ろからこの家の主の声がする。




「何、なんか面白いこと?」
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