花蓮【完結】
「…平気じゃないです。
だけど、拓斗先輩の方が…」


「…………」





隣に座る菜々美の肩に頭をこつんと置くと、拓斗は顔を歪めた。






「…ごめんな、ちょっと…このままでいさせて」


「………はい」






菜々美は切なさで涙が出そうだった。
麻美さん、戻ってきて。
お願い、戻ってきて。





強く、強く心で念じたし、いつもは信じてない神様にも今だけは祈った。


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