花蓮【完結】
葬儀所で静かに行われた葬式に花蓮のメンバーや、総神、麻美のファンの子が押し寄せた。

何か、芸能人ではないかと思うぐらいの人数だった。




麻美の母親は葬式の最中。
涙を一滴も見せなかった。




周りはわんわん泣いてるのに。



哲は喪服に身を包み、母親に挨拶をしに行った。



「…あの」


「はい」


「麻美さんとお付き合いをさせて、…いや、しようと思ってました」



意味不明な哲の発言に母親は訝しげな顔を見せる。
お構い無しに哲は続けた。




「…あの…麻美さんを…麻美を産んでくれてありがとうございました」


「………」



深々と頭を下げる哲を一瞥してから、母親はその場を後にした。


それをたくさんの花蓮の仲間が見ていた。
< 234 / 368 >

この作品をシェア

pagetop