花蓮【完結】
手術が終わった後、息をしていない麻美と対面して。


俺の中で何かが、音を立てて崩れていったのがわかった。




何かはわからないけど、その時から。
俺はもう、何も考えることが出来なくて。



ぐるぐると深い迷路を彷徨ってるみたいに。




俺の頭には麻美との思い出が過ってばかりで。


浮かぶのは麻美の笑顔とか、怒った顔とか。


好きだと言った声とか、嫌いだと言った声とか。




抱き締めた温もりや、優しさばかりで。





ちっとも前を向いて歩いてなかった。




だけど、なつきに言われて。
俺は前に進まないといけないんだと。
そう、決めることが出来た。






麻美、会いに行くから待ってろよな。
毎日毎日、寂しくないように俺が会いに行ってやる。
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