花蓮【完結】
お腹を膨らませた俺となつきは、俺の部屋に向かった。



部屋に入ると、なつきが電話するな、と言ってどこかに電話をかけていた。




「あ、あかり?
ああ、うん。
今日、泊まりだから…ああ、うん。
明日また連絡するな。
…おやすみ」



それだけ言うと、なつきは電話を切った。
例の彼女への電話だ。




「もういいの?もっと話してればよかったのに」


「いいんだよ、今日は俺哲といるんだから」


「な、何それ!俺、危ない感じ!?犯される感じ!?」


自分を抱き締めて、わざとらしくきゃあと言うとなつきは眉間に皺を寄せて。



「………もう一度電話しようかな」


「やーだーごめんなさーーい」


「……コーヒー飲みたい」


「はい、入れてきます」




悪魔だ、この子。
ちょっとふざけただけじゃん。
泣きそうなのは俺なのに。

だけど、素直に言うことを聞いてる辺り。





俺はなつきが大好きなんだと思う。
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