花蓮【完結】
翌日。
なつきは起きて早々と帰宅していった。


夕方からバイトがあるらしく、悪いなって謝りながら。



…頼んでなかったのに、わざわざ来てくれて。
俺ん家に何も言わなかったけど、心配して泊まってくれて。





…最後まで謝るなよな。






真っ昼間。
長年続くお昼の長寿番組を見ながら、俺は出かける準備をしていた。






向かう先は麻美の家。





最初だから。
綺麗めの黒のベロアのジャケット。
それに細身の黒のパンツ。
チャコールグレーのタートルネックを合わせて。
かっちりした革靴に足を入れると、俺は部屋を後にした。
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