花蓮【完結】
「ばっかじゃないの!!!
麻美がわざと哲さんに冷たくして、さよならしよーとしてたのに。
それって、あれじゃんか!
死んだ時に哲さんが独りになるからじゃんか!
それが嫌だから自分から身を引こうとしたのに…」
「麻美が好きじゃなかっただと!?」
「いくら哲さんでも、その発言許せない~!!
…撤回しろ」
あまーいキャラの琴子ちゃんから聞こえるドスのきいた低い声にびくりとする。
一気に三人に捲し立てられた俺は、あまりの迫力にすみませんと苦笑いしながら謝ることしか出来なかった。
「とにかく、哲さん。
安心しなよ。
麻美が誰か、特定の男と親しくするなんて今までなかったんだから」
「そーそー、麻美、拓ちゃんと信司以外殆ど話しないしね」
「麻ちゃん、モッテモテなのに興味なさそおだったし」
「だから~哲さんの出現に私ら結構盛り上がったんだよね」
「私、知ったのは結構後だったけど」
「それはあ、朱ちゃんが光にやられるから~」