花蓮【完結】
麻美は。
幸せだったんだ。
あの母親の態度を見て、ちくちくしてた心のとげがなくなってきたみたい。
麻美は一人じゃなかった。
だって。
こんなにも近くに大事に思ってくれてる友達がいて。
幸せだったんだ。
駄目だな、俺。
でも、今度こそフッきれたような気がする。
麻美を引きずって、俺まで暗い気持ちでいたらよくないって。
頭ではわかってたけど、心ではわかってなかった。
それをやっと理解出来たような気がする。
今日、俺にこの三人を引き合わせてくれたのは麻美だろ?
こんな素敵な三人がいるし、それに麻美を取り巻く全ての人が麻美を大事に思ってるって。
いつまでも落ち込んでるなんて哲らしくねえ。
そう、麻美が言ってるような気がした。