花蓮【完結】
そう言いながら俺の胸で泣きじゃくる菜々美の頭を泣きやむまで撫でてあげた。
少し赤い目をこすりながら、菜々美は笑顔で立ち去った。


「いい返事、下さいね」

なんて、笑いながら。



強いな。


女って強いよな。


未練たらたらで、女に縋ってないと生きてけないのはいつだって男の方だ。



菜々美がいなくなった後も、俺はその場に座りこんでいた。
< 315 / 368 >

この作品をシェア

pagetop