花蓮【完結】
その女はすらーっとしていたけど、立ち振る舞いが堂々としていた。
ぎらぎらと光る瞳には芯があって、何も揺らぐことはなさそうに見える。


この人には、勝てない。


やる前から敗北宣言したくなるぐらい、非の打ちどころがなかった。

そんな私を横目に、喧嘩っぱやい都が殴りかかった。

この年にしては結構な場数を踏んでるし、喧嘩も幾度となくこなしてたから。
そう、簡単に負けるとは思ってなかったけど…。


私と都はあっさりとその女にやられた。


倒れてる、私と都の前にしゃがみこむと

「…あたしは麻美。
あんたらは?」

「………」

黙ったままの私と都を見て、麻美と名乗った女は優しく、笑う。
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