花蓮【完結】
「あたしはむやみやたらに喧嘩してるから強いんじゃない。
守りたいものがあるから強いんだよ。
あんたらがやった女は、あたしの大事な仲間なんだ」

そうやって、私と都の頭に手を置いた。


何も言わず、置かれた手をそのままにする。

それからその女は、真面目な顔をしたと思ったら、その通った声で


「喧嘩して、何か、憂さ晴らししてえんだろ?」

はっきりと、言った。


そうやって。
私と都の気持ちを代弁したかのように。


置かれた手が、暖かくて。


何故か。


涙が溢れた。



私を理解してくれる人が出来た、そう思った。

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